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diary with petit photos from the atelier

機微


我実に一呼吸の機微に万有の生命と触着するを感じたりき


国木田独歩「小春」)



寒い寒い2月も、はや末日。


じっと閉じていた梅の蕾がようやくひとつ開いたと思ったら、空からは雪。


暖房など無いに等しかった昔の人達にとっては、春の訪れは本当に嬉しく、毎年心が救われるように感じていたのだろうと、今年はなんだかしみじみと思う。


和の国に生きていた人達が、自然やいきものに通じていた理由、その些細な変化に目を凝らし、耳を澄まし、一喜一憂していた理由が、少しだけ解ったこの冬であった。


何事にも、厳しい環境の中でしか見出せない機微があり、そこに静かに湧き起こる有り難さや歓びがあるのだ。



雪のち晴れ、の散歩道。 


吸い込む冷気の中には、微かな温もりと甘い梅の香。




さてさて、昨年から企画していたプリント生地ブランド「Cotorienne(コトリエンヌ)」の店頭発売がいよいよ始まりました。
手芸や雑貨作りに役立つプリント生地のシリーズで、ユザワヤさんをはじめ、全国の手芸店やネットショップなどでご購入いただけます。

ブランド名の 「Cotorienne(コトリエンヌ)」は、様々な意味を含んだ造語。cotori=小鳥(ささやかで愛らしい存在)、cotton=木綿(主に100%コットンの生地を使っています)、rienne=フランス語で女性達に用いる(パリジェンヌなど...お洒落で小粋な女性達のイメージ)などの意味があり、また日本語と外国語の組み合わせは、「和」のコンセプトと「洋」のスタイルの「和洋折衷」な融合などの意味も含まれています。

初回のコレクションは9柄(x各5~6配色)、計48アイテムとよりどり。なかなかのボリュームです。

着物、モダン千代紙、パターン素材集などでこれまで沢山の紋様製作の仕事をしてきたなかで、生地という大きなキャンバスでの展開は以前からの念願でもありました。

企画がスタートしたのは、昨年の6月。生地の仕上がった年末にかけて、約半年に渡る作業でした。大阪の製造元 有輪商店の企画担当の方とデザイン、版下製作、配色指示、仕上がり確認などのやり取りを何度も重ねつつ、学びながらも楽しい作業でした。

デザインは、まずは得意とするモチーフから...、ということで「花」「鳥」「風」「月」、「少女」、「物語」、さらには、布地の定番モチーフから「格子」「水玉」「小花」の九つ。
全体を見渡してみると、ゆるやかな風か吹く野原 ("nohara")、ゆらゆらとした格子模様 ("yurari")、風の中で羽ばたく時を待つ鳥達 ("try your wings")、月の上から星を撒くうさぎ達 ("moon rabits")、花の中で踊る少女 ("girl")...と、ふわふわとした穏やかな浮遊感のあるパターンが多く揃いました。

この浮遊感は、春夏売りの製品ということもありますし、また女性を中心にクラフトを楽しまれる方に向けた製品ということで、ふわふわとした明るく穏やかな気持ちでお使いいただきたいという意図もあったりします。

物語性も特徴のテキスタイルで、そのもの「物語」をテーマにした"oasis"という絵柄があります。


動物達がツアーを組み、山の上のオアシスを目指して進んでいく様子をコミカルに描いた絵柄で、橋が崩れた川を、崖の急斜面を、動物達は知恵と力を合わせて越えて行きます。
大きさも力もそれぞれに異なる動物達ですが、皆のために自分に出来る事を懸命に考え、安息の地オアシスへと向かうのです(2011年の情勢から生まれたものでもあります...)。

理屈やうんちくを抜きに、単に絵柄や色合いや質感を愛らしいと思って手にしていただく事が大切だったりもしますが、色々なお宅に羽ばたいて行くコトリ達が、素敵な音色で唄ったり物語をささやいたりしたら良いなとも思うのです。

Fly! Cotorienne.

羽ばたきはじめたCotorienne(コトリエンヌ)を、どうぞよろしくお願い致します。


*Cotorienneホームページ:http://www.cotorienne.com/
*Cotorienneツイッター:https://twitter.com/#!/Cotorienne

*ホームページを開設しています。アイテム、販売店舗のリストの他、生地を使ったアイテムのレシピ(つくり方PDF付)も公開しています。ツイッターのフォローもよろしくお願い致します。




新しい一年が幕を開けた。
アトリエクラシナ山荘は、年末から−5℃前後の厳しい冷え込みが続いていて、今年は「冬らしい冬」のまま寒に入った。
しんと静けさの中に目覚めた元旦アトリエであったけど、三が日には、方々から友人達が集っての新年会場となり、鍋の湯気と賑やかな声にしばし包まれたのであった。

 

初詣は、秩父山中の三峯神社に。
おみくじは...、縁起良く「大吉」であった。


初雪


こそこそと空から降りてきた初雪。

雲が裂けて、太陽に見つかると、あっという間に空に引き戻されて居なくなってしまったのである。



クリスマスの電飾が街を飾る頃、アトリエのある地方の家々の軒先は、無数の鮮やかなだいだい色で彩られる。 

道を行けば、畑や並木の葉もさらわれて見通しの良くなった景色の中、宙に浮かんだだいだいのカーテンは、冷めた空の青に良く映えて、太陽のつぶて如くに自然と何度も目に入ってくる。

裸のまま冷たく乾いた季節風にさらされる柿達は(こう書くと何だかとても気の毒な姿ではあるな)、やがて外側は褐色に乾いて縮こまり、内には甘みとだいだい色をたっぷりととじこめた枯露柿(ころがき)となり、底冷えの続く冬の貴重な滋養としてようやくに部屋の中へと招かれる。

その部屋の真ん中、枯露柿が据えられた天板の下といえば、必ずやこたつ電球のだいだいが、暖かに足下を照らしているである。



庭に出れば、空は高くひんやりと、しんとして、ここに冬の訪れを知るのである。


風が吹けば、地に道に彷徨う落ち葉の群れ。
寡黙な巡礼者のように、微かな衣擦れをたてては、西に東に定め無き道を連れ合い行くのである。


身を解き、風の中に種を投げるものあれば、足下に今さらに花をつけるもの、はたまた、空の青みを掴み取らんばかりに突き出されたのは、椿の淡紅、南天の紅。

 


 

短い旅に、ちらりと見えた海。

スカイラインからの、ナイキ雲浮かぶ駿河湾。


Minnie


アニャン社食堂、庭&もらいもの野菜を中心に今日(と明日)のメニュー。

エビと鶏肉と野菜のカレー on 十穀米 
小かぶと舞茸のごま味噌汁
水菜、レタス、ラディッシュ、パセリ、ミニトマトのサラダ


BGMは ミニー・リパートン "Lover and Friend (live)"
(ミニー・リパートン:深い情感と天井知らずの高音の持ち主。秋から冬にかけて聴くと、一層歌声は心に沁み入る。)



深秋の、束の間の暖かな晴れ間。

貴重なひだまりの外テーブルでブランチ(というか昼にずれ込んだ朝食)。
レーズンロール&トースト(ハチミツがけ)
コーンフレーク(シナモンがけ)
グリーンサラダ
オレンジジュース


 

気がつけば、山から山へ渡る太陽の軌道も随分と低く短くなっていたのである。

それでも時に太陽から届く光線は強く鋭く、地上の緑を静かに焦がしては、葉の内に潜んだ色という色を炙り出す。

太陽が沈んだ後には、宵闇に紛れた冷気が忍び来ては、昼に焼かれた沢山の色を、長い夜をかけてとっぷりと浸し、その彩りを定め深めしては、朝の光の中を引き返していくのである。

藍でも、友禅でも、古くから染め色の善し悪しを決めるのは、定着に用いる水の冷たさ、清らかさであり、彩色を施し、水に浸すという繰り返し作業の正確さ、誠実さであるとされてきたそうであるが、やがて山肌を染め尽くそうとする紅葉はまさに、秋の清らかな光と闇、熱と冷気による「彩色と定着」作業の賜物なのであろう。

もちろんその美の工法を模したのは人間のほうなのであるけれど、秋のこの時分は、自然そのものが美しい染めものを産み出す工房のように思えて仕方ないのである。


。。。。。。。。。。。。。。。


アトリエにこもり、布に紙に紋様製作と配色作業が続いたこのごろ。一息ついての散文である。本格的な紅葉までは、もう少しである。




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